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山田風太郎原作「明治波濤歌」は
「波濤を分けてたどりついた人、出ていった人」を描いた作品6篇の連作集です。

その中の1篇「風の中の蝶たち」は
明治18年、自由民権運動の残り火がくすぶる三多摩地方を舞台に
史実に基づき話が展開します。

秋山国三郎は、南多摩(八王子)の豪農に生まれ
天然理心流(新撰組の土方歳三も)を学びましたが、放浪の末南多摩に帰ってきて
孫(原作は娘)のと世捨て人のような暮らしをしています。

そこはいつの間にか自由民権運動の三多摩壮士が集う梁山泊となり
民権運動の壮士大矢正夫、後に詩人北村透谷となる北村門太郎、その友人石坂公歴
などが滞在していました。

豪農だった公歴の父石坂昌孝は早くから自由党に入り
壮士たちに経済的な援助をしていましたが、娘石坂美那
そんな石坂家と弟公歴の行く末を心配し、門太郎に相談しますが・・・・

偶然ここに迷い込んだ、粘菌の研究では世界的な博物学者として名を残した南方熊楠
この梁山泊の人々(特に公歴)とかかわりを持っていくことになります。

かつての自由党左派の指導者大井憲太郎と監事の磯山清兵衛と女壮士景山英子らも
この地を訪れますが、自由党には闇の目組という陰の組織もあり、
警察の密偵を誅戮するために「ヒタヒタ、ヒタヒタ」と忍んできます。


詩人北村門太郎が詠んだ歌

「いわず語らず蝶ふたつ ひとしくたちて舞いゆけり
うしろを見れば野は寂し 前向かえば風寒し
過ぎにし春は夢なれど 迷いゆくえはいずこぞや・・・・」

青年たちはそれぞれ高い志を持って風の中を蝶のように舞いますが、
風はやがて秋に変わるのです。

歴史的な背景や詳しいあらすじは文学座のHPをご覧になってください。
歴史に疎い方はこちらのHPがわかりやすいです。

北村門太郎と秋山国三郎の関係は記念碑にも残っています。

蓬役の高橋礼恵さんのサイト「のりのり散歩道」に稽古場日記がアップされています。


 
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